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- G9 スペシャルインタビュー
auの新ブランド「iida」の第一弾として登場したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「G9」。
プロダクトデザイナーである岩崎一郎氏のデザインによる携帯電話とはいったい、どのようなこだわりが?
コンセプトを担当した、プロダクト企画部・コンセプト企画グループの砂原氏に聞きました。
プロダクトデザイナーである岩崎一郎氏のデザインによる携帯電話とはいったい、どのようなこだわりが?
コンセプトを担当した、プロダクト企画部・コンセプト企画グループの砂原氏に聞きました。
- ―― ありきたりですが、G9の開発コンセプトを教えてください
-
砂原氏
そもそもこれを作ろうとしたきっかけ、というのが、あるセレクトショップの経営者の方と話をしていて、「au design projectの端末って魅力的なんだけど、海外に持って行くことができないね。」というお話をいただいて、次のモデルについては海外対応にしようと。それはau design projectスタート以来の僕の念願でもあったので、それをまず一つのコンセプトにしよう、というのがありました。
デザインについては、海外対応ということで、ターゲットのイメージは大げさに言うとジェットセッター的な人ということで考えよう、という風にして、旅の道具として精緻感のあるデザインにしたいと思って、それで岩崎一郎さんにデザインをお願いすることにしました。
岩崎一郎さんにはau design projectスタート当初、コンセプトモデル「GRAPPA」を手がけてもらったものの商品化できなかった。ただ、いわゆる「高級携帯」というジャンルが受け入れられるようになった市場背景の中で、もう一回「GRAPPA」のような上質な携帯が出せるんじゃないかな、ということで、デザインとしてはそういう方向性で考えることにしました。あとは海外で使えること。ちょうどCDMAとGSMのデュアルローミング端末の開発がスタートする時だったので、それをベースに作ろう、ということでG9が出来上がりました。ちなみにG9という名前は、「GRAPPA 2009」の略です。
- ―― 「GRAPPA」のコンセプトが「愛着をもって長く使ってもらえる」だったと思います。そのために革を使っていました。G9にもそのコンセプトが入っているのでしょうか。
砂原氏
はい。上質さと愛着は「GRAPPA」と変わらぬコンセプトです。ステンレスのチタンコーティングだったりとか、異なる素材や仕上げ、質感の組み合わせによるコントラストによって長く愛着を抱ける上質さを実現しています。
シボ(装飾のエッチング加工)面とシボのない面との組み合わせだったり、グロス(光沢)とマットの組み合わせだったり、金属と樹脂であったり、金属自体もアルミとステンレスであったりとか。岩崎さんらしい精緻なデザインです。革でなくても非常に繊細な組み合わせの妙によって、持った時の満足感であるとか、心地良い触感を生み出しているわけです。
- ―― 実際に触らないと確かにわからない素材感ですね。シボ面も指紋がつかない感じがいいですね。
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砂原氏
そうなんです。実際に良くみていただければ(笑)。
- ―― デザインを担当する岩崎氏には何かデザインに関する注文とかあったのですか
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砂原氏
そうですね、まずどういう携帯を目指すか、岩崎さんとイメージを共有するためのワードとしては「007が普段使っている携帯電話」というのがありました。一緒に出した「Mobile pico projector」、実はアレも一緒の企画なので、プロジェクターを付けた時にはスパイ道具になると。ワンセグや画像が映って便利ということよりも、男心をくすぐる、なんだか無性に欲しくなるガジェットとしてあるような、そういうものとしてプロジェクターを企画しました。普段は普通の携帯電話なんだけど、実は・・・・という男の子的な楽しみ方。そういう裏のコンセプトがありました。
- ―― カラーバリエーションなのですが、titanium+silverはル・コルビュジエのソファー的なマットな黒とシルバーのコントラストの高級イメージがあるのですが、他のカラーを揃えたのには何か意図があるのですか?
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砂原氏
例えば、高級コンパクトカメラ的な、剛性感があって手にしっくりなじむというだけではなくて、携帯電話としては色気もちょっと欲しいな、と。単に高級然とした感じ、あるいは質実剛健な感じ、では終わりたくないなというのがありました。
ただ普通の携帯のように有彩色を広い面で使うのではなく、アルミのキーとロックキーだけに差し色として使うことで、上品なカラーリングに仕上げています。au design projectではピンク色を使うことを敢えて避けていたところがあるのですが、今回はピンク色を差し色として使って男性にも女性にも好まれるカラーを作りたいと考えました。チタンコーティングについても開発の途中でいろいろ色を変えられることがわかったので、ピンクにはミラー仕上げ、グリーンにはブラック、シルバーにはマットなチタンカラーを組み合わせることにしました。titanium+silverは一番ストイックなカラーリングのモデル、モノ好きな人のためのカラーという感じですかね。black+greenは、品がありつつ遊びも感じさせる男性寄りのカラーに仕上げています。
- ―― 最近の携帯は機能や付随サービス等が注目されていましたけれども、これは一眼レフカメラのようなガジェットに近いですね。
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砂原氏
そうですね。G9は道具としての魅力を追求しました。僕自身もカメラ好きですけれども、カメラも金属感、素材感だったり剛性感やグリップ感が大事じゃないですか。プラスチックボディのカメラだとやっぱりシャッターを押した時の心地よさが感じられない。同じ携帯電話なんだけれども、その素材一つとっても、剛性感一つとっても使っているときの心地よさは変わってくるので、そこにこだわろうと。モノを持つ喜びを最大限感じられるものとして。
- ―― その部分はテレビCM等ではなかなか伝えにくいところなのかな、と思いましたが。
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砂原氏
iidaのCMは、G9のモノとしての魅力を伝えることが目的ではなく、ブランド広告なのでそこは仕方が無いですね。実際に店頭で手に取って確かめていただければ嬉しいです。
- ―― 実施に店頭に置いてあるモック(展示模型)もちょっと質感が違うような気がするのですが。
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砂原氏
モックも実機同様にステンレスフレームはきちんとステンレスを使っているんですけども、やはりモックですので細かいところまで完全に実機と同じというわけにはいかず。
- ―― やはり実機を見ないと伝わりませんね。
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砂原氏
そうですね。どんな媒体をもってしても伝えきれないと思うんです。岩崎さんの精緻なデザインの良さは。
- ―― 発売から日がたっていることもあって、購入者からのデザインの評価レビューは非常に高いですね。そのことについてはどう思いますか。
砂原氏
開発途中に、これau design projectっぽくないって言われて(笑)。
僕としては、今の時代にあった非常にまじめな物づくりを目指したので、そういった評価は嬉しいです。
auってなんだかプラスチッキーで、とか、高級感がないよね、とか、大人っぽいのがないよね、といったユーザーのみなさんの声もG9開発の動機の一つだったので「こういう端末が出るのを待っていました!」と言っていただけてよかったです。
- ―― 今までのau design projectはカラフルでプラスチックのイメージでしたね。
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砂原氏
そうですね、化粧パーツとして金属を使うことはなかったですね。それに対して否定的な意見があったわけではないですが。
- ―― パっと見、タッチパネル対応のデザインに見えるのですが、実は非対応。そこには何か意図があるのですか。
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砂原氏
もちろん、開発の最中もタッチ全盛で意識はしていたものの、G9は正統な携帯電話を作ろうとしていたので、タッチパネルではなく、ボタンで操作することにこだわりました。ボタンのストローク感、押し心地も岩崎さんも参加して可能な限りチューニングして。傾斜のついたキー形状と心地よいストローク感の組み合わせで、快適なキー操作を目指しました。
- ―― 店頭でG9を手にとっている人を見かけたら、何て言ってオススメしますか?
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砂原氏
そうですねぇ・・・。無理にオススメしなくても・・・。まあ、敢えてオススメするとしたら今までお話ししたウンチクをいっぱいお話しして。
- ―― 確かに、G9は選らんでもらう、っていうスタンスですよね。それだけのデザインのこだわりがあります。それでも、実はまだ言っていない、こだわりデザインってありますか?
砂原氏
表面のステンレスフレームの下の方に切れ目があります。これはこのままステンレスを切れ目なく繋げてしまうとアンテナ性能に影響がでちゃうんですよ。この切れ目は機能を持った切れ目なんです。アンテナの性能とデザインのバランスをいかに解決するか。本当なら切れ目無しで行きたいところなんですが。この切れ目と本体下部のスラント(傾斜)はアンテナ性能とのバランスからきているものですが、あたかも初めから意図されていた形状や処理であるかのような自然なかたちにまとまっています。
- ―― プロダクトデザインの冥利に尽きますね。
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砂原氏
岩崎さんの素晴らしさがわかるポイントの一つですね。
- ―― ありがとうございました。

